「私達は、出会う必要が無い」

相変わらず放縦懶惰な死神の、戯れな会話。
いつもなら、唯の四方山話の、筈だった。

幻想の境界の、話が出るまでは。


赦されざる、唯一度の愚心。

二度と、追憶する筈の無い、その邂逅。
何故なら、私達は--
出会う必要が、無かったから。

幻想の境界と幻想の審理。
相反する二つに、邂逅は決して赦されず。
衝突は、決して避けられない。

矛盾を裁く事の矛盾。
非常識を裁く意味を問う。

其の存在を裁く事は、本当に、正しい事なのか。



光と闇の表裏
第5回東方紅楼夢
B5 68P 500円
