「少しお散歩しないかしら?

 幻想の世界で見る夢の道。

 そこを行き交うおもいはーー



 一体どんなものでしょうね」













































進歩と引き換えに、縮めた距離世界




だが、その代償に喪ったものは、何だったのか。

何処かで密が生まれると言う事、其処に添えなかったもの。

段々と、気付かぬうちに。
























侵される天恵。

喪われた、山紫水明。















眠れる恐怖を忘れた人間は、

果たして楽園の世界を勝ち得る事が出来たのか。




















ぽつりぽつりと、墨のように。

世界は、塗り潰されていく。

昏い闇から漆黒の粒が、嘆くように、悄然と。

















そんなものは、残されたものの勝手な感傷じゃないか!





















その忘れられた記憶は、何処に行くのだろうか?















けれど。







「こんな近代的な町ですら、棄てられてしまうのですね」





「この世に変わらないものなど、ありはしないの」








終焉は、必ずしも悲劇ではなく。

その証は、最後の最後まで証であり続ける。




悲しくも穏やかなそれは、未来への礎に他ならない。




礎は源へ、みなもとは、ちからへとーー

ああ、おもいちからはこれほどまでに美しく































記憶を司る少女は、その環を外れ、”おもい”を巡るに出た。



夢と現の狭間の中で、哀しくかなしい追憶を辿る。



旅の果て、終着駅で、彼女が顕す”おもい”は

































ぶらり幻想記憶の旅
東方椰麟祭
A5 60P 300円